jROの過去11年間のGW遭難事例

  1. ホーム
  2. > 未分類
  3. > jROの過去11年間のGW遭難事例

jROの山岳遭難対策制度発足以来11年間の4月下旬~5月上旬のゴールデンウイーク中の、遭難救助費用をお支払した事例をすべて開示させて頂きます。それぞれ発生年次は異なります。残雪期・冬から春の変化する天候・凍結する雪面・ブロック雪崩・ホワイトアウト・シュルンドやスノーブリッジ崩壊などのこの季節特有の自然の中での遭難事例です。

GWの山行を計画中の皆様の遭難防止の一助になることを祈って掲出させて頂きます。

捜索救助費用お支払事例

登山中№ 発生日 発生場所 発生
状況
積雪
状況
主原因 年令 身体
被害
カバレージ
確定額
1 4月
下旬
北ア
鹿島槍ヶ岳
下山中 冬期
積雪
 凍死  60代  死亡  \295,483
 【概要】滑落したパートナーの救助要請のために下山中に凍死。
2 4月
下旬
北ア
鹿島槍ヶ岳
登はん中 冬期
積雪
転滑落 50代 死亡 \295,483
【概要】滑落し、ロープに宙づりとなり凍死。
3 4月
下旬
北ア 白馬 下山中 冬期
積雪
雪崩 60代 死亡 \238,100
【概要】大雪渓を下降中、小雪渓上部より発生した雪崩に巻き込まれ。
4 4月
下旬
南八ヶ岳
南部 三ツ頭
下山中 冬期
積雪
転滑落 30代 負傷 \4,180
【概要】下山途中転倒し左足首を骨折し救助要請。病院に収容。
5 4月
下旬
北ア
鹿島槍ヶ岳 南峰
登山中 冬期
積雪
落雷 50代 不明 \76,080
【概要】天候が急変、15時頃南峰山頂にて雷に打たれる。同行者は死亡。目が見えなくなり約2.5kmを15時間一晩中さまよい小屋に収容される。目の回復を待って下山。左欄のカバレージ費用は本人分のみ。
6 4月
下旬
中ア 空木岳
池山尾根
大地獄
下山中 残雪 転滑落 20代 重傷 \243,557
【概要】斜面を下りトラバース中に足元の雪が崩れ滑落してメンバーの視界から消える。当初、同パーテーで捜索・救助を行おうとする。おおよそ80mほど下っても発見ができないため、自力での捜索・救助は困難と判断し、警察に救助要請。団体関係者にも連絡。引続き同パーティーで2次遭難に注意しつつ捜索の結果、負傷した会員を発見。県警からは地上から2名の捜索隊が出発した連絡を受ける。また県警ヘリは、同時に別地点において発生した雪崩による遭難事故のため出動中との情報。おおよその現場到着時刻の連絡を受ける。夕方ヘリにて医療機関へ搬送される。パーティーは現場付近で幕営、上がってきた警察救助隊と合流。翌日下山。なお、地元遭対協はヘリによる対応ができない場合に備えて登山口で待機。クラブOBも現地に駆け付ける。
7 4月
下旬
北ア 蓮華岳 山スキー
滑降中
冬期
積雪
転滑落 50代 死亡 \642,053
【概要】蓮華大沢右俣をスキー滑降中転倒。アイスバーンで200M滑落。斜面の吹き溜まりで倒れているのを同行者が発見。うち1名が付き添いでビバーク、1名が下山し救助要請。翌日救助隊により人力搬送されるが死亡が確認された。
8


9

4月
下旬
北ア 剣岳 下山中 残雪 雪崩 40代 軽傷 \38,136
60代 死亡 \345,431
【概要】剣岳源次郎尾根南西斜面と平蔵谷にて二度の雪崩に遭遇、富山県警山岳警備隊が事故を目撃していた為、隊員によって救助要請が行われた。消防のヘリコプターにて収容される。1名窒息により死亡、1名生還。救助費用は発生しておらず、関係者現場駆け付け費用・謝礼・遺体搬送費用など合計で38万円。
10 4月
下旬
東北
神室連峰
火打岳
山スキー
滑降中
残雪 転倒 40代 凍傷 \244,326
【概要】※単独 下山時間が遅くなり、日没による焦りより雪の斜面にて転倒。GPS携帯を紛失したことによる道迷い。ビバーク5泊あり。山仲間と地元山岳会パーティーにより発見。ヘリによる搬送を試みるが視界不良により断念。人力担ぎにより登山口まで下山、最寄医療機関へ収容される。凍傷あり。民間救助隊費用、謝礼費用、駆けつけ費用発生。
11 5月
上旬
三重県
御在所岳
登山中 病気 60代 死亡 \111,841
【概要】08:27登山中 突然倒れる。08:29に119番し他パーティの看護師による心臓蘇生を行う。9時過ぎ地元消防によるAED処置。09:50三重 防災へりで県医療センターへ搬送したものの、10:32死亡が確認される。
12 5月
上旬
北ア 爺が岳 登山中 冬季積雪 転滑落 30代 負傷 \48,540
【概要】スキートラバース中に転倒し左肩関節脱臼。
13 5月
上旬
 北ア
北穂高岳
滝谷ドーム手前
登山中 残雪 天候不良 10代 特になし \209,153
【概要】ホワイトアウトで視界不良、道迷いの危険あり救助要請。
14 5月
上旬
北ア 立山
雄山
山スキー
滑降中
残雪 転滑落 60代 死亡 \200,463
【概要】※単独  雄山西側の標高約2500メートル付近の斜面で、「頭を負傷し、意識を失った男性が倒れている」と付近の登山者から通報があった。ヘリコプターで病院に運ばれたが、約1時間後に死亡が確認される。
15 5月
上旬
北ア 爺ヶ岳
付近
登山中 残雪 凍傷
病気
50代 凍傷 \162,880
【概要】※単独 積雪がグズグズで足がはまって歩行が難しく、4時間かかっても冷池山荘に到着できず。疲労もあって18時頃ビバークしたが、冷池山荘の人に救助され小屋へ担送される。翌日ヘリで松本へ搬送。
16 5月
上旬
西上州
荒船山
登山中 転滑落 60代 死亡 \250,000
【概要】午後1時過ぎ、荒船山毛無岩付近で、「5人グループのうちの1人が滑落したようだ」と登山者から110番があった。県警が捜索したところ、約2時間後、登山道から約50メートル下の沢で倒れているのを発見。県警ヘリで病院に搬送されたが、死亡が確認された。 仲間4人と毛無岩に向かっていた際に足を滑らせたとみられる。現場は上級者向けコースで足場が悪かったという。登山道の崩壊箇所を偵察しかけた際、足元が崩れ滑落したと思われる。
17 5月
上旬
北ア
前穂高岳
登はん中 残雪 落石 40代 負傷 \83,250
【概要】2名共同遭難。前穂高岳北尾根上4峰登はん中に落石を受け4名パーティー中、1名負傷、1 名は120M ほど滑落し死亡。涸沢ヒュッテ経由で警察へ救助要請。ヘリにて松本の病院へ搬送される。
18 5月
上旬
北ア
前穂高岳
登はん中 残雪 落石 40代 死亡 \225,000
【概要】2名共同遭難。前穂高岳北尾根上4峰登はん中に落石を受け4名パーティー中、1名負傷、1 名は120M ほど滑落し死亡。涸沢ヒュッテ経由で警察へ救助要請。ヘリにて松本の病院へ搬送される。
19 5月
上旬
北ア
北穂高岳
下山中 冬季積雪 転滑落 50代 死亡 \227,000
【概要】※単独 他の登山者から滑落の目撃情報が寄せられ、北穂高岳の山頂から300メートルほどの斜面で倒れているのが発見され、死亡が確認された。死因は低体温症。
20 5月
上旬
北ア 剣岳 登山中 冬季積雪 転滑落 30代 負傷 \38,641
【概要】八ツ峰の頭のコルへの下りで三ノ窓雪渓側へ350Mほど滑落。左足関節後果骨折、全身打撲、頸椎捻挫。
21 5月
上旬
日光 金精山 登山中 残雪 転滑落 40代 負傷 \31,200
【概要】金精山直下を登山中に雪と岩がミックスしたガレ場でバランスを崩し50Mほど滑落。同行者により救助要請。事故発生約2時間後に消防のヘリにて最寄医療機関へ収容される。
22 5月
上旬
北ア
前穂高岳
登はん中 冬季積雪 転滑落 70代 死亡 \325,380
【概要】3峰1ピッチ目終了点付近で滑落。宙づり状態で意識不明。同行者により岩壁から収容後、ヘリにて救助。最寄医療機関にて死亡が確認された。遺体搬送費用、駆けつけ費用、消耗品費用発生。
23 5月
上旬
福島県
丸山岳周辺
(推定)
不明 冬季積雪 不明 40代 不明 \3,300,000
【概要】※単独 丸山岳から家族への連絡を最後に以降連絡が途絶える。下山予定日(5/7)を過ぎたため家族が警察へ救助要請。数次にわたる警察、民間救助隊、ヘリ、ドローンによる捜索が続けられている。
24 5月
上旬
富士山 下山中 冬季積雪 転滑落 30代 死亡 \222,980
【概要】下山中に誤って滑落。 駆け付け費用、遺体搬送費用が発生。
25 5月
上旬
北ア 明神岳
東稜
登山中 残雪 転滑落 50代 負傷 \287,016
【概要】ロープを使う地帯を抜け、ロープなしで安定した箇所まで移動しようとしたらバランスを崩して滑落した。遭対協から救助費用、家族駆け付け費用が発生。
26 5月
上旬
北ア
白馬乗鞍岳
山スキー
滑降中
冬季積雪 転倒 70代 負傷 \136,136
【概要】振子沢にて蓮華温泉への滑走中に転倒、捻挫して行動不能となる。遭対協からの救助費用、駆けつけ費用、謝礼費用発生。

上記の26件では死亡事例が顕著(26件中12件、46%)です。山スキーや雪渓での転倒が滑落につながり死亡に至っています。また、単独山行は26件中5件を数え、19%を超えます。死亡事例は3件です。そのうち1件は行方不明案件で発生以来数年にわたり捜索活動が続いています。いずれの事例もこの季節(GW)に最も顕著な遭難事例と考えられます。
どの時期の遭難も、“起こしてはならない、遭ってはならない”ことはもちろんのことですが、特にこの季節では特有の山岳環境があります。それらを充分認識の上、万全の備えでの山行をお願い申しあげます。また単独山行では、常に「道迷い→転滑落→行方不明」の危険が潜在しています。jROでは”M 0 T(Missing Zero Triangle)”を提唱しています。あわせてのM 0 Tの備えをお願いいたします。
あわせて全ての山行で登山届のご提出と、ご家族にjRO会員であることのお伝えもお忘れなくお願いいたします。

 

遭難事例表まとめ:jRO事務センター 白井和也

表前後文責:日本山岳救助機構(jRO:ジロー) 若村 勝昭

  • 入会お申込み
  • 講演会のお知らせ
  • ネットショップ エマグストレージ
  • メールマガジン受付
  • jRO事務センター便り
  • JROチャンネル
  • JRO×ココヘリ一括入会プラン
  • JRO×ココヘリ(jRO会員の方)
  • ヤマモリについて
  • 山と自然のネットワークコンパス Compass

田中陽希と学ぶ jROの山岳遭難対策制度