雲から山の天気を学ぼう|猪熊隆之から連休中の登山についてメッセージ

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連休中の登山でおすすめしたいのが予備日を設けること。予備日とは、悪天候などの理由で行動することが難しくなった日に停滞したり、何らかの理由で予定より大幅に時間がかかったときのために、あらかじめ山行計画に組んでおく日のことです。

さて、歩けなくなるほどの悪天候になるのはどのようなケースでしょうか?春山の気象遭難は、ほとんどが低体温症や突風による転滑落によるものです(雪崩の事故もありますが、ここでは気象遭難に含めません)。これらの事故は、低気圧が発達しながら通過した後の日本海側の山岳で発生しています。
実は天気図を見ることで、行動することが困難なほどの悪天候になるのかどうかが分かるのです。登山前に気象庁の予想天気図を必ず確認しましょう。天気図で以下の特徴があるときは、大荒れの天気になることが考えられます。

  1. 低気圧が日本列島の近くを通過し、中心気圧が24時間で10hPa以上下がっている。
  2. 低気圧が通過した後も目的の山の辺りで等圧線が込み合っている(目安としては線と線の間隔が東京/名古屋間の距離と同じかそれよりも狭いとき)

1.に関しては、気象庁やヤマテンなど天気図を見られるサイトで、最新の天気図と翌日の同じ時間の天気図を比較して低気圧の中心気圧を比べます。低気圧の近くに書いてある数字が中心気圧です。これが翌日、10以上下がっていたら要注意です。

2.に関しては、ご自身が登られる日の予想天気図を確認していただき、山の両側の線の間隔を確認してみましょう。
ヤマテンの会員であれば、「大荒れ情報」が発表される状況だと思ってください。現時点でGW初日の状況はどうでしょうか?日本海側の山岳では荒れた天気になりそうな匂いがプンプンしてきますね。

これらの特徴が見られるときは、北アルプスや谷川連峰、飯豊・朝日、月山、鳥海山、白山、大山(だいせん)など日本海側の山岳で大荒れの天気となる恐れがあります。森林限界を越えることは危険です。行動を取りやめるか、既に稜線上にいる場合には、しっかりとした雪洞を構築したり、風を避けられる場所で停滞することをおすすします。

GW期間中は、低気圧が発達しながら通過する予想となっている日もあります。予想天気図を見て、これらの特徴が見られないかどうか確認してから出かけましょう。自信がない方は、以下の天気予報も併せてご利用いただければ、気象遭難のリスクを減らすことができます。

ゴールデンウィーク期間中の天気予報配信のご案内

GW期間中の週間予報につきましては、株式会社ヤマテンが配信している「山の天気予報」のサービスでご利用いただけます(月額300円+税の有料サービス)。

GWに関しては、4月24日(水)と4月30日(火)の2回発表予定です。また、本サイトでは全国18山域、59の山について、翌日・翌々日の予報を毎日発表しております。

その他、気象遭難の恐れが高い場合に発表される「大荒れ情報」の配信や、今週末のおすすめ山域(GW期間中のおすすめ山域は4月25日、5月2日の2回発表予定)、ライブカメラの配信(一部の山限定)も行っております。

また、264時間(10日)先までの各種専門・高層天気図などもご利用いただくことができます。

「山の天気予報」のご登録は、https://i.yamatenki.co.jp/invite.htmlのページからおこなえます(このページを開くことで課金されることはございません)。ご利用方法やサービス内容につきましては https://i.yamatenki.co.jp/manual2/manual.pdfをご参照いただければ幸いです。
この「山の天気予報」は、一般の利用を想定したものでないため、この情報をメールで転送するなど、第三者へ提供することはできません。ご注意ください。

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