雲から山の天気を学ぼう(第31回)

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~機窓からの観天望気 石垣島編 partⅣ~

飛行機は、紀伊半島から太平洋へ。海の上は上昇気流が発生しにくいので雲が全くないこともありますが、今回は梅雨前線の南側で暖かく湿った空気が入ってきたので、色々な雲が見られました。そこで、雲が語ってくれる空気の気持ちに迫ってみたいと思います。

写真1 太平洋上で見られた雲

1) 赤い線で囲んだ雲
写真の上の方にはもくもくと上方へ発達した、やる気のある雲が並んでいます。いわゆる入道雲、積乱雲(せきらんうん)です。各種天気図から解析すると、南西諸島の東側(写真では奥の方)に沿って周囲より一段と暖かく湿った空気が南西方向から入ってきており、またこの辺りで南風と南西風が集まって上昇気流が強まっています。このため、雲がやる気を出して入道雲が発達しているのです。こうした雲の下では激しい雨や雷雨となっています。

写真2 写真1に雲のタイプを色分けしたもの

2) 緑色の線で囲んだ雲
1)の積乱雲の手前側には一列に並んだ雲が見られます。雲の上側を見ると、左から右へとなびいているのが分かります。このことから、写真左方向から右方向へと強い風が吹いていることが分かります。1)の所で述べた暖かく湿った空気が、この強い風に乗って左から右方向へと入ってきているのです。また、この雲の存在が多量の湿った空気の存在を知らせてくれてます。この暖かく湿った空気が激しく上昇するところで雲がやる気を出し、1)の積乱雲を形成しています。

3) 青色の線で囲んだ雲
青色で囲んだ部分は手前と奥に2つ見られますが、同じ種類の雲です。ひとつひとつの雲は積雲(せきうん)と呼ばれる雲で、青空に綿のように浮かんでいるので、綿雲(わたぐも)とも呼ばれます。地上から見ると下の写真のように見えます。
さて、この雲は非常に高度の低い所に浮かんでいる雲で、味噌汁の模様のようにまだら状となっています。うろこ雲と同じように、上下の狭い範囲で温度差が大きい所にできる雲で、上下の広い範囲で温度差が大きい所でできる1)の積乱雲と同時に見られるのは、飛行機ならではですね。
ここでは黒潮の暖かい海で暖められた空気と、その上のやや冷えた空気との間で温度差が大きくなって暖かい空気が上昇した所で雲ができ、冷たい空気が下降している所で雲が消えてまだら状になっています。さらに波を打っているようにも見えますが、これも左方向から右方向へ強い風が吹いていることによるものです。
このように、同時に3つのタイプの雲が見られるのは飛行機の旅ならではですね。

写真3 青空に浮かぶ綿雲

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)
※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

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猪熊隆之(いのくまたかゆき)

国内唯一の山岳気象専門会社ヤマテン http://yamatenki.co.jp/ の代表取締役。中央大学山岳部監督。国立登山研修所専門調査委員及び講師。カシオ「プロトレック」開発アドバイザー。チョムカンリ登頂(チベット)、エベレスト西稜(7,700m付近まで)、剣岳北方稜線冬季全山縦走などの登攀歴がある。著書に山の天気にだまされるな(山と渓谷社)、山岳気象予報士で恩返し(三五館)、山岳気象大全(山と溪谷社)。共著に山の天気リスクマネジメント(山と渓谷社)、安全登山の基礎知識(スキージャーナル)。

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