田中陽希さん「日本3百名山ひと筆書き~Great Traverse~」(32)

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八幡平

8月23日、267座目の八幡平を目指しアスピーテラインを上ります。出発から4時間、黒谷地湿原登山口に到着。朝は雲に包まれていた八幡平は、すっきりと青空が広がり、気持ちよく歩かせてもらえそうなコンディションです。熊の泉でのどをしっかり潤し、まず向かったのは八幡平が見渡せる源太森。2百名山の時はすぐ下を通過しただけだったので、ここからの展望は初めてです。違う八幡平の眺めに、早速感動。八幡平で一番いい展望ポイントといっても過言ではないでしょう。八幡沼の畔を抜けて、5年ぶり三度目の八幡平に登頂。山頂手前ではたくさんの登山者が登頂の瞬間を見守りに集まっていました。皆さんからたくさんの拍手をいただき、初登頂の百名山の時を思い出します。しっかりとした展望用の櫓に上がり、オオシラビソの森から平坦な山頂部を見渡しました。どこまでも平坦、これぞ八幡平。

乳頭山

8月25日、268座目となる乳頭山へ。まずは三ツ石湿原へと標高差470メートルを登り返します。今日はなかなかのタフな一日、獲得標高は1500メートルに迫ります。1時間で三ツ石湿原へと登り、標高620メートルの滝ノ上温泉へと休まず駆け下りました。標高差660メートルを1時間ほどで駆け下りる頃には気温が高くなり、あまりの暑さにたまらず沢に飛び込みました。身体をしっかりと冷やしたあとは再び乳頭山へと標高差860メートルの登り。気温上昇と急登のダブルパンチでさすがに疲れは色濃いです。中間点の白沼でひとやすみして、後半戦へ。前乳頭まで来てようやく急登から解放されました。前乳頭から見る山容はまさしくその名の通り、優しい緩やかな膨らみの中心に岩頭があり、女性の乳房のように見えます。ちなみに、乳頭山は別名烏帽子岳とも呼ばれていて、東側は切れ落ちています。最後は穏やかな風に背を押されながら力を振り絞り、出発から5時間15分で無事登頂。山頂からは、別れを惜しむように主峰岩手山が見え、5年前終始濃霧となった秋田駒ヶ岳が荒々しい姿を見せてくれていました。明日は、目の前に鎮座する秋田駒ヶ岳へ。

秋田駒ヶ岳

8月26日。スキー場跡地を強い日差しを背に登ります。スキー場跡地を抜けるとブナ林となり、少しの間暑さしのぎ。しかし森林限界を迎えると、笹とアザミが茂る登り基調のトラバースで、暑さに加えて、立派に成長したアザミからの容赦ない攻撃で肌は赤くなってしまいました。初っぱなからお疲れモード。天気も良くコンディションも抜群なのに、待望の秋田駒ヶ岳最高峰、男女岳が近づく程に、疲労はみるみる蓄積され、身体が気持ちに追いつきません。横岳から通称「ムーミン谷」を見下ろし、深い火口の中を歩く人影に「あそこを歩いたらきっと気持ちがいいんだろうな~」と思いましたが、すでに余力はなし。きびすを返して、登山者でにぎわう阿弥陀池へと下りました。最高峰男女岳はもう目と鼻の先。一歩また一歩と、秋田駒ヶ岳がどんな雰囲気の姿であるかを確かめるように標高を上げていきます。出発から約5時間、少し疲れた表情で秋田駒ヶ岳最高峰男女岳に登頂。山頂からは遠く眼下に田沢湖、そして、東北北部難関の和賀岳も見えました。さらに振り返るとここまで登りつないできた山並みがずらりと見渡せます。蒸し暑さには参りましたが、連日の好天にただただ感謝です。

和賀岳

8月29日。昨夜、夢で和賀岳に登りトラブルが発生。それが正夢にならないようにと緊張していました。真木渓谷にある薬師岳登山口からの往復ルートを選択。宿から登山口までは片道13キロ、内8キロが林道です。最後の民家を過ぎると砂利道となり、天敵メジロアブが集まってきます。さらに藪蚊がふくらはぎ中心に大量に群がってきました。この状況は登山口からも続き、たくさんの藪蚊に血を分け与える結果に。宿を出発から2時間、予定よりも早く登山をスタート。昨日まで続いてきた快晴ではないものの、間違いなく5年前よりは好条件。展望を優先させたり、山を楽しめたりする気持ちよりも、無事に何事もなく登頂させてもらい、下山できたらそれで十分です。途中標高800メートル付近の最後の水場で、蒸し暑さで火照る体と気持ちを少し落ち着かせました。そこから最初のピーク薬師岳までは休みなく一気に登ります。薬師岳から先は少し緊張感が緩んでしまうような気持ちいい稜線歩き。薬師岳までの険しい道のりからは想像できません。アザミやハクサンシャジン、リンドウ、キリンソウ、ウメバチソウなどたくさん花もまだまだあり、少しだけ笑顔を浮かべながら歩くことが出来ました。未だに和賀岳山頂だけ湧き上がる雲に包まれたままですが、稜線は風が抜けて蒸し暑さからも解放されました。快晴なら炎天下の稜線歩き、今より暑さは厳しくなるでしょう。出発から2時間半、無事に登頂。山頂は雲の中ですが、ホッとしました。山頂で1時間近く晴れてくれることを願い待ってみましたが、下山の時間を考えて、10時半に山頂を後にしました。1時間後、薬師岳に着き振り返ってみると、和賀岳にかかっていた雲は無くなり、見えなくなる最後のチャンスで顔をお披露目してくれました。

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