春夏秋冬山便り-「黒部下ノ廊下」(2018年11月)

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黒部下ノ廊下(旧日電歩道、水平道)
10月下旬頃まで

旧日電歩道・水平歩道を歩く


黒部渓谷鉄道(トロッコ電車)終点駅の欅平~黒四ダムまでの通称下ノ廊下と言われている歩道の報告です。
正しくは下ノ廊下は急峻な渓谷のことで渓谷に沿った登山道のことです、戦前日本電力が水力発電所の建設のため調査開削した水平道です、欅平~仙人ダムまでを「水平歩道13km」黒部四ダム上部までを「旧日電歩道16.6km」と区別しています、ほぼ標高1.000mを水平に道幅70~80cm渓谷から数100mの垂壁が続き「黒部では怪我をしない!」とされ転落は怪我では済まないと肝に命じ総合的危険度から上級コースと認識しておきましょう。
このコースは長野側黒部ダムからと富山側欅平のルートかの選択ですが途中の宿泊施設、幕営地は阿曽原温泉小屋のみなので十分注意が必要です。
現在は関西電力の送電線巡視路としても管理整備されほぼ全コースロープか針金、ワイヤーが山側のみに設置されています、関電は全コース補修のため毎年数千万円を費やしています。

通行する場合双方向大差はないようですが登り下りのすれ違いが必ず発生します、幅の狭い歩道の一般登山者やツアー登山の交差、ザックの大小、突起物の有無など岩角でのバランスを崩さないことに特段の注意と歩行時のつまずき、スリップ、よろめき、休憩や撮影時の墜落は毎年続いて発生しています、前記の「黒部では怪我をしない」を再度肝に命じておきましょう。

欅平~仙人ダム(黒部川第三発電所)は戦前国際情勢悪化など第二次世界大戦の危機が急速に熟しはじめたおり、岩盤温度が160°に達する地帯の掘削での難工事、志合谷の世界的にも稀な「泡雪崩」による山一つ越え対岸の奥鐘山の大岩壁に鉄筋コンクリート上部の宿舎と作業員数十名共々打ち付けられた惨事も含め、昭和十五年完工までに三百名の犠牲と直接責任富山県庁の度重なる工事中止命令にも関わらず電力需要逼迫での陸軍省の強い要請で完成したようです、昭和になり更に昭和三八年電力需要のため難工事黒部第四発電所、黒部ダムも完成しています。
黒部第三発電所通路の熱や黒部第四発電所の送電線出口、下から見上げる通称黒四ダム観光放水の迫力など黒部川の歴史を再認識することで更に興味が尽きない歩行となります。
時間に余裕があれば黒部渓谷鉄道沿線や欅平周辺の複数ある温泉も黒部の魅力の一つと言えます。
安全確認はもとより黒部ダム側、欅平側とも夕刻の最終交通手段には十分注意して行動してほしいものです。

*吉村 昭 「高熱隧道」他参照

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