ゴールデンウィークの山に向かわれる皆様へ

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ゴールデンウィークの休暇も目前となりました。いまだ感染の増加も続くなかですが、登山を計画なさっていらっしゃる方々も多いことと思います。

ゴールデンウィークの山特有の危険の認識を

みなさまご存じのように、この季節の登山には様々な危険が伴います。多くの人たちが普段お過ごしの都市や里は、すっかり春たけなわですので、ついつい錯覚してしまいがちですが、標高の高い山々などは、まだまだ厳しい雪の世界です。天候に恵まれれば、ポカポカ陽気の春の山を満喫できますが、ひとたび悪化すれば、降雪や吹雪に見舞われる危険もあります。
また、この春は様々な状況が例年とは異なります。外出を控える日々の生活のなかで、私たち自身の体力や判断力も鈍ってしまっているかも知れません。感染拡大が続くなか、私たち登山者が事故や遭難などで救助隊や医療関係の方々に負担をかけることがないよう、確実な登山を実践したいものです。
里はポカポカ陽気でも、山は厳しい雪山であることを忘れずに(鹿島槍ヶ岳からの眺望)あることを忘れずに(鹿島槍ヶ岳からの眺望)

jROのホームページでも、「捜索救助費用お支払い事例」からこの時期の事故を抽出して掲載しています。概要の記述を見ますと、「トラバース中に足元の雪が崩れ滑落」「スキー滑降中転倒。アイスバーンで200m滑落」「滑走中に転倒、捻挫して行動不能となる」など、雪山での滑落やスキー中の事故が多く発生しています。また「大雪渓を下降中、雪崩に巻き込まれる」「剣岳源次郎尾根南西斜面と平蔵谷にて二度の雪崩に遭遇」などの事故例もありますが、雪崩への備えも怠れません。
無事に救出されたとしても、「ヘリによる搬送を試みるが視界不良により断念」「ホワイトアウトで視界不良、道迷いの危険があり救助要請」といった記述にみられるように、この季節特有の気象条件の影響を受けてしまったり、「滑落したパートナーの救助要請のため下山中に凍死」といった悲惨な例もありました。
落雷などは夏山で発生しているイメージが強いですが、「天候が急変、山頂にて雷に打たれる」といった報告もあります。「積雪がグズグズで足がはまって歩行が難しくビバーク、小屋の人に救助される」「雪と岩がミックスしたガレ場でバランスを崩し50mほど滑落」といった事例なども、厳冬期の雪山と較べて一見やさしそうに思えるかもしれない春山の落とし穴なのかも知れません。
jROの過去11年間のGW遭難事例 | jRO 日本山岳救助機構合同会社 (sangakujro.com)。

低山だから安心というわけではありません

雪山での備えを中心に記して来ましたが、低山といえども、決して安心なわけではありません。毎年この時期には、家族登山やキャンプで、お子さんがはぐれて行方不明になってしまったりという、悲しいニュースがもたらされます。
私自身も遭難事故の研究を続けていますが、発生した事故の内容が公開されている長野県と山梨県における、昨年一年間の事例を調べてみました結果、発生山域は日本アルプスや上信越では減少しましたが、八ヶ岳、秩父、大菩薩・道志、富士・御坂などの都市近郊で増加していました。
年齢別でも10歳以下が微増、家族の遭難事故が増えているという傾向が読み取れました。感染拡大下のなか子供たち同志で遊ぶよりも、家族単位で過ごす機会が増え、野外経験の少ないご家族で行動なさった結果なのでしょうか。


たとえ低山であっても十分な備えが必要(丹沢からの富士山)

山菜採りによる事故や行方不明が多発するのもこの時期です。例えば、発表されている警察庁の最新統計である令和元年をみると、全国の遭難者2937人のうち、登山(ハイキング、スキー登山、沢登り、岩登りを含む)が75.7%で、山菜・茸採りが12.3%という状況でした。jROはこうした活動も補てん対象としていますが、十分にご注意をお願いしたいと思います。

最後に例として長野県、山梨県のURLをご紹介しますが、全国の各警察などからも、春山の注意事項が資料や動画などで説かれていますので、ぜひご覧ください。それでは、みなさまのゴールデンウイークの登山が、安全確実に行われますことをお祈りいたします。


野外でも感染に備えるマナーは守りたいものです(奥多摩 御前山にて)

日本山岳救助機構合同会社 久保田賢次
(元ヤマケイ登山総合研究所所長、山の日アンバサダー)

 

令和元年における山岳遭難の概況
☆山岳_概況_山岳年報(H30中)本文_修正0517_本文(R01)(案) (npa.go.jp)

長野県警察 令和3年 春山山岳情報
令和3年春山情報/長野県警察 (nagano.lg.jp)

山梨県警察 登山塾
山梨県警察/登山塾 (pref.yamanashi.jp)

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