【寄稿】単独登山者に遭難多発、情報を求む!!

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残暑お見舞い申し上げます。
jRO会員のみなさまはいかがお過ごしでしょうか。暑い夏でしたが元気に山に向かっておられることと思っております。
8月15日毎日新聞によりますと、「山口県で12日から行方不明になっていた2歳の幼児が民間救助ボランティアにより発見、無事救助された」とうれしいニュースでした。

さてこの8月に1人、6月に1人のjRO会員の方が遭難されております。
いずれも単独登山です。そこでjROでは会員の皆さんに実例を挙げながらリスクを減らす提言をすることで遭難防止に役立てようと考えました。またもしこれを見て同じ日に同じところにいた、前後の日に同じコースにいた、又は目撃したなどの情報をお持ちの方は早急にご連絡いただければ幸いです。
単独登山者の場合は情報が少なく捜索するにも範囲が広くなり思うように進まないのが現状です。ご協力をよろしくお願いします。

① 長野県・槍ヶ岳北鎌尾根

北アルプス・槍が岳(国内第5位の高峰)に突き上げる北鎌尾根で単独の方が遭難されております。
8月10日に奥様より相談があったのですが、今年は遭難が多く各捜索救助組織では多数の案件を抱えており、この案件も現在捜索中であります。
みなさまも「北鎌尾根」の名前はご存知かと思いますが、あの険しい槍が岳に突き上げる尾根の一つで最も難しいといわれる尾根です。一般ルートはなく途中岩場もあり、ロープ・ハーネス・ヘルメット・カラビナなど岩登り用の装備が必要になるところです。
さて計画書を見ると8/6中房温泉から入山、 1日で合戦尾根を登って大天井岳まで行きます。ここまでの標準タイムは7時間(*コース定数33)、更に登山道のない貧乏沢を下降して北鎌沢出合(泊)、ここまで1日で行くとなっています。そして8/7北鎌尾根を登って殺生ヒュッテ(泊)、8/8、中房温泉まで下山となっていました。この行程は標準タイム11時間(コース定数39)です。

この方は60歳男性。今年定年を機会に念願であった「北鎌尾根」に登りたいと計画されたそうです。体力は十分あるとのことなので、一般縦走路は走破されたような気がしますが目撃情報は全くありません。やはり単独登山なので、捜索範囲は出発地の中房温泉から全コースが捜索対象範囲となり容易に見つけることはできません。
現在北鎌尾根の捜索は民間山岳遭難捜索チームLiSS(Mountain Life Search and support)が中心になって捜索にあたっています。民間救助隊はどこも手がいっぱいでお互いに情報交換をしながら助け合って捜索しているのが現状です。
私は単独だから「行くな」とか「無謀登山」とは全く思いませんが、ただ帰りを待っておられる家族の方がおられるということを知っていただきたいのです。それだから生きていて、現在地を知らせてほしいと祈念しています、ただそれだけなのです。
現在地さえわかれば助けることは可能です。
そしてもし近くに登山者がいたら「お互いさま」「どうしました」これがjROの原点なのです。

現在、小型の電波発信機など捜索のためのIT機器多数が販売されています。このような遭難者には是非あった方が良いと思います(それでも100%安全でありませんが・・・)。
*ヤフーニュース参照(「山のリスクをITで減らせるか」)

この方は中房温泉を出発の後、全く情報がありません。ご家族の方からもjROへ相談がありました。
8/6中房温泉 8/7北鎌尾根 8/8東鎌尾根 西岳 大天井岳 燕岳 中房温泉
このエリアにおられた方はどのような情報でも結構です、ご一報をお願いします。

② 岐阜県・笠ヶ岳
次は6月ですが40歳男性です。北アルプス笠ヶ岳での遭難です。やはり単独登山でした。6/25笠ヶ岳新道より登山開始、山頂で1泊し翌26日午前6時に小屋を出発しその後消息が途絶えてしまいました。すぐに警察の捜索が始まりましたが発見できず、打ち切りとなり、お父様からjROへご相談がありました。jROから公益社団法人東京都山岳連盟山岳救助隊を紹介しましたが、これも現在捜索中です。
6/26笠ヶ岳周辺におられた方、どのような情報でも結構です。ご一報ください。

以上がjRO会員の遭難です(さらに鳥海山に6/24単独で入山、予定日を過ぎても下山していない事例あり、詳細確認中です)。

③ 長野県/岐阜県 西穂高岳
他に山岳保険や山岳遭難対策制度未加入の方で、5月に76歳の男性の方が西穂高岳で遭難しておられます。この方も単独登山ですが同じコースを春夏秋冬四季を通じて辿っておられます。もちろん計画書もあります。このようなベテランの方でも自然の驚異には勝てないのでしょうか、jROの会員ではない事例も掲載させていただきましたが、山に入れば会員であってもなくても「助け合う」というjROの精神から今回紹介させていただきました。

中央アルプスの沢でも遭難がありましたが、中央アルプスは携帯電話がつながり無事救助されたとの未確認情報も受けています。

だれも遭難しようと思って山に登る方はいないと思います。しかし「想定外」のトラブルにより行動不能となってしまいます。万全の方策をとったつもりでも遭難することはあります、山登りでは「絶対安全」はありません。「遭難するカモしれない」と思って準備しましょう。

万前を尽くすために!

★登山計画書を作成し警察へ届け、あわせて家族、友人などへ預けましょう。
★地図、コンパス、GPS、携帯電話(位置情報連絡機器)などを持ちましょう。
★登山靴、ヘルメットなど装備は自信のない方は最新のものを持ちましょう。
★事前に地図読み、ロープワーク、天気図などの講習会を受講しましょう。

参考:ヤフーニュース
8/22(水)8:50(配信)
「山のリスクをITで減らせるか」
https://news.yahoo.co.jp/feature/1058

*コース定数について
自然を相手にする「登山」行為では客観的に難易度を評価するのが難しく、今までは★の数でおおよその難易度を表現していました。それを鹿屋体育大学の山本正嘉先生がより客観的に数値化されたものです。
例えば:
コース定数
10:体力的に易しく初心者向き
20:一般的な登山者向き
30:日帰り登山の場合、健脚者向き
40:定数40以上は日帰り困難1泊以上の計画が必要
詳しくは
ヤマケイオンラインで検索できます。
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=363

行方不明

エリア 年齢  入山日時  下山日時 備 考
 ①  北鎌尾根  60  8月6日   8月8日  中房温泉 それ以降不明
 ②  笠が岳  40  6月25日  6月26日  新穂高 笠新道経由 笠が岳山荘泊
その後不明
 ③  西穂高岳  76  5月20日  日帰り  新穂高 笠新道経由 笠が岳山荘泊
その後不明

この日に近辺におられた方は情報をお寄せください。

公益社団法人東京都山岳連盟 遭難対策委員(jRO社員) 橋本 利治

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