渡邊輝男氏 推薦文 | ヤマモリについて

  1. ホーム
  2. > ヤマモリについて

新しい捜索電子機器「ヒトココ」に期待 !!

公益社団法人日本山岳協会 遭難対策委員会 常任委員
日本山岳レスキュー協議会 幹事
渡邊 輝男

最近、山岳遭難に関わる会議や研修の場で“ヒトココ”の話題をよく耳にします。そして、その機器の説明やデモンストレーションに触れ、実際の機器も手にいたしました。
それらを経て、今、「ヒトココ」に期待しています。
この新しい捜索電子機器「ヒトココ」の特徴を、私なりにご紹介すると、
◎小さく軽く、持つことに抵抗がないこと
◎感知する電波範囲が広く、ヘリコプターからも位置を特定できること
◎電池寿命が長いこと
◎オールシーズンの登山のみならず、日常生活で普段に使用できること
◎1台1台に固有の電子ID番号が付されていること
などがあげられ、私が遭難捜索機器に求める機能と条件が現時点でカバーされています。

私が山の遭難対策、山岳救助活動に携わるようになって30年余り経ちます。身近な友人、知人を含めて多くの遭難に関わりました。その多くは捜索を伴う活動でした。
活動中に思ったことは、≪万一の時に、速やかに遭難者の位置を特定できるようなシステムがないだろうか≫ということでした。

富山県警では捜索機器として、電波発信機のヤマタンを導入しています。最近では、登山者の携帯電話のGPS機能を利用した捜索システムも試みられています。
また、雪山での雪崩埋没者の捜索にアバランチビーコンが有効であることは周知の事実です。
開発中のものも含めて、他にもいくつか位置特定の捜索機器はあります。
しかし、ここで改めて再確認したいことは、これらの中から登山者が自分自身の危機管理として採用すべきはどれか一つ、ということではないということです。
登山の中身、季節、ルートなどそれぞれの条件に応じ、自分のリスクをカバーしてくれるものを選択し、採用することが大事でしょう。
そして、場合によってはひとつに限らず、複数のセイフティーネットを備えることが必要です。

現在ではまだ、求めるすべてを備えている機器は存在しません。登山の用具や技術と同様に、それぞれのメリット・デメリット、機器の特質を理解することが必要です。
特に、アバランチビーコンとヒトココについては、単純比較して否定的なコメントに繋がりやすいのですが、それぞれの特質、使用する状況を考慮すれば、この比較はあまり意味のないことのように思われます。
アバランチビーコンの特質=特長と、冒頭に記述したヒトココの特徴=特長はそれぞれ異なります。したがって使用する状況での使い分けが必要です。
ヒトココの最大の特徴と私が考えることは機器1台1台に付されている電子IDです。
登山計画書は万一のときの捜索の手がかりに利用されます。そこにプラスしてヒトココのID番号の記入がなされるようになれば、救助活動は効率的に迅速に対応可能になります。
親機と子機の、“探す”“探される”という相互の関係よりも、先ずは登山者一人一人が、万一のときの手がかりを携帯するということがとても大事だと思います。
そして自分が親機の探す立場になったときは、登山のみならず日常生活での使用経験がそのまま緊急時に役立つでしょう。ヒトココは登山だけのものではないという予感があります。

ともあれ、ID番号入りの登山計画書とザックの雨ブタの中には子機。これがあたりまえになるといいですね。

「ヒトココ」の普及に期待しています。

 

以上

img_watanabe 渡邊 輝男 (わたなべ てるお)1956年、新潟県生まれ。中学時代に登山を始め、大学生の時に「わらじの仲間」に入会。以後、飯豊滝沢・梅花皮大滝初登(80年)、ペルーアンデス・ブランカ山群、アグハネヴァド南西壁初登(81年)、会越・鬼ヶ面山マンモス尾根冬季初登(86年)など、沢登りとクライミング両面で活躍。東京都山岳連盟遭難対策委員長を務め、レスキュー技術の研究・普及活動にも積極的で、講習会などを行っている。共著に『山の遭難 生きた、還った』(東京新聞出版局)があるほか、ビデオ『登山学校 山で遭難しないために』(山と渓谷社)で講師として出演もしている。

日本山岳協会遭難対策常任委員、日本山岳レスキュー協議会幹事。

 jRO注:

jROではこのヒトココを山のお守り「ヤマモリ」と名付けて、会員限定に貸出しを始めました。
捜索救助訓練時にご活用ください。
貸出しの要項はjRO HPの ≪遭難捜索救助用具貸与制度≫ページ、この機器の詳しい説明は≪ヤマモリご紹介≫ページをご覧ください。
購入ご希望の方は、同ページでご案内しています。
なお、ご購入の場合は、ヤマモリの個別識別電子ID番号とご購入者名をjROで記録管理し、万一の際の捜索関係者(親族・警察等)のお問い合わせに対応いたします。
また、捜索時に捜索救助隊に親機(10~20機)の無料貸出しをおこないます。

山岳遭難事故・捜索救助機器の関連図

ä0Þ0â0ê0Á0é0·0

  • 入会お申込み
  • ヤマモリについて
  • 講演会のお知らせ
  • ネットショップ エマグストレージ
  • メールマガジン受付
  • jRO事務センター便り
  • JROチャンネル
  • 山と自然のネットワークコンパス Compass