日本の国立公園の山の魅力③「大山」

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大山隠岐国立公園・大山(だいせん)

今年も間もなく国民の祭日「山の日」がめぐってくる。8月11日である。
毎年山の日には全国山の日協議会の主催で、”山に親しむ機会を得て山の恩恵に感謝する”記念全国大会が開催されているが、今年は初めての西日本、鳥取県の米子市および大山山麓の大山町で開催される。
大会テーマは、
《神います山と共に生き、歩む~開山千三百年『山を守る聖地』大山(だいせん)から~》
とし、平安時代に始まった大山寺祈願法要にその祖を求めての祭事と行事が行われる。

***大山寺本堂

大山は表記のとおり大山隠岐国立公園に属し、なんと日本で3番目に古い国立公園として96年の歴史を持っている。また百名山でもあり、近接する蒜山(ひるぜん)とともに多くの登山者でにぎわう山である。
もちろん山そのものは前述のとおり古代から宗教登山の地としても長い歴史を持ち、多くの信者たちによって登られてきている。大山そのものがご神体として崇敬を集めており大神山神社奥宮が現存するが、中世以降に仏教修行の地としても人々の信仰心を集め、神仏混淆の時代そして廃仏毀釈の嵐を経て、山麓には大山寺という寺院が荘厳な大伽藍をそびえさせている。
筆者が数年前、山岳会の仲間と登った時、前日の山麓散策の途中に大山寺に参詣したが、その時ちょうどカウンターテナー歌手の米良美一(めら よしかず)さんのコンサートが本堂で開催されていた。屋内から寺域の森に流れる華麗にして心に染み入る歌声にしばし心を奪われた。
大山は標高1,729mの剣ヶ峰が最高峰だが、登山コースとしては弥山(みせん)1709.4mを頂上とする。弥山への登路は南側の大山寺を起点とする夏山登山道が一般的だ。
夏山登山道は下山キャンプ場上から行者谷別れ経由で直行できるが、少し回り道になるが大山寺経由をおすすめしたい。荘厳な境内もさることながら、大神山神社への途中の左右には昔日に栄えたであろう塔頭の遺跡が石壁のみを残して続く。往時はたくさんの僧侶や信者でさぞ殷賑を極めたであろう。
登山道はポイントポイントの登山標識も明確でわかりやすく歩きやすい。ブナの原生林を経て6合目の避難小屋近くになると視界も開け、麓の大山寺集落が見える。さらに上がれば日本海への眺望が開け、半島と海の広がりを楽しめる。やがて遭難慰霊のケルンがあり、ここ大山も人の力の及ばない峻厳な顔をもつ山岳であることを教えてくれる。

弥山頂上への木道

道はやがて木道を登る。左右には季節に応じて高山植物の花々が目を楽しませてくれる。思わず歓声も漏れる道だ。ただし、木道は雨天時や濡れていると“ズルッ”と滑り、思わぬ滑落や打撲を負うことになる。慎重に歩きたい。
ここまで登れば頂上は間近である。頂上には標識台もあり、眺望できる山と海域、島々が表記されている。この標示によれば南側には四国の山々も見えるとのこと。さすが「大きなやま」の名に恥じない眺望だ。頂上からは剣ヶ峰への稜線もつながっているが、危険な稜線が続き縦走は禁止されている。
良い思い出を残すためにも、登路を再び下りたい。

最近、「インバウンド」の言葉を聞くことが多い。ここ大山でも欧米のみならずアジア各国からの観光客の来訪が顕著とのこと。なかでも韓国からが目立ち、団体やソロ(単独)登山者が増加している。
韓国からは関釜フェリーでプサンから下関、そこからJR山陰本線で米子駅、さらに路線バスで大山寺へと比較的容易に来ることができる。
韓国でも登山はメジャーなスポーツであり、若者から中年層まで幅広い。そしてお隣りニッポンの山も大人気だ。
ここ大山山麓には韓国語(ハングル)をはじめ中国語、英語の登山届用紙や地図が用意されている。特に大山ナショナルパークセンターにはこれらが完備され、登山届の提出も可能である(和文の登山届はここのほか大山寺駐在所、下山キャンプ場バス停そば、登山口手前のトイレ等に用紙とポストがあるので、必ず提出したい)。
同センターにあった登山届書式と地図を掲載してご紹介する。

  

jROでは山岳遭難の防止や、万一遭遇の際のダメージ軽減のためにも「登山届の提出」を呼びかけている。ある統計によれば、登山者の50%強は未提出とのこと。これからも呼びかけを強めていきたい。
海外からのお客様も、これからますますニッポンの国立公園の山を楽しんでいただきたいが、あわせて各国語対応の登山届の提出も奨めたい。
ちなみに、jROで推奨しているweb登山届「compass」は英語、中国語(簡体・繁体)韓国語に対応している。QRコードから容易にアクセスできる。
皆様のお知り合いの外国の方が登山の時は「compass」のご紹介をぜひお願いしたい。

日本山岳救助機構合同会社
代表社員 若村 勝昭

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