雲から山の天気を学ぼう(第3回)

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今回は、上層雲(じょうそううん)より低い高度(約2~7km)に浮かんでいる中層雲(ちゅうそううん)について紹介します。

中層雲(中位のところに浮かんでいる雲)

中層雲は、なめらかで一様な雲を表す「層」がつく「高層雲(こうそううん)」、塊状を表す「積」がつく「高積雲(こうせきうん)」に分けられます。「高」がつくのは、これより低い下層雲にそれぞれ「層雲(そううん)」、「積雲(せきうん)」があるためで、それより高い雲という意味がこめられているからです。

また、ここで「乱」という字がつく雲が初めて出てきます。「乱」は、雨や雪を降らす雲で、10種雲形の中で2種類のみになります。このうち、中層雲に属するのは「乱層雲(らんそううん)」というなめらかで一様な雲です。

a)高積雲(ひつじ雲)

高積雲は、ひつじ雲とも呼ばれ、巻積雲(けんせきうん、別名うろこ雲)より低い、高度2~7㌔くらいに浮かぶ雲です。うろこ雲と似ていますが、それよりもひとつひとつの雲塊が大きく、雲の底が灰色がかっていたり、陰影があることでうろこ雲と見分けられます。夕焼けに染まる高積雲はとても美しく、筆者の大好きな雲のひとつです。空全体に広がっているときは、天候が悪化することが多いので注意が必要です。

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b)高層雲(おぼろ雲)

太陽がおぼろげに透けて見えることが多いことから、おぼろ雲とも呼ばれます。「曇り空」から連想される代表的な雲です。空全体を覆う灰色の雲で、太陽や月が雲を通して透けて見えることがあります。時間と共に巻層雲(うす雲)が厚みを増し、高層雲に変化したときは、低気圧や前線が接近していることを示しており、数時間後に雨が降り出すことが多いです。高層雲が厚みを増してくると、標高の高い山では霧に包まれ、雨や雪が降り出します。

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c)乱層雲(雨雲、雪雲)

雨や雪を降らせる、暗い灰色の雲です。別名「雨雲(あまぐも)」や「雪雲」とも呼ばれます。雲の底は2km位で、発達した雲になると、雲のてっぺんは6~7kmに達します。雨や雪が降る直前には、ちぎれた低い雲が現れることがあります。この雲による雨や雪は、シトシトと長時間、降るのが特徴です。高層雲(おぼろ雲)が出現した後に現れることが多いですが、高い山ではガスに包まれて高層雲から乱層雲への変化が分からないことが多いです。温暖前線の前面や低気圧の東側、北側に現われる雲です。

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次回は、下層雲(かそううん)について学んでいきましょう。

 

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 

猪熊隆之(いのくまたかゆき)

全国18山域、59山の天気予報、大荒れ情報、専門天気図、雨雲レーダーなどが見られる「山の天気予報」(https://i.yamatenki.co.jp/)サイトを管理している株式会社ヤマテン(http://yamatenki.co.jp/)の代表。

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