【寄稿】「春山に潜むリスクと回避」

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GWの山はいかがだったでしょうか?
最近の傾向は多量の雪が降ったとしても、雪解けが早く(地域によっても多少の差はありますが)残雪期特有の意外な危険な落とし穴があるように思います。
これからの季節での登山での注意すべきポイントについて2・3記述いたします。

① 天候の急変

冬山でも夏山でもいわれることですが、これからは特に天候の急変には注意しましょう。といっても、何をどうすればよいのかわかりますでしょうか。わたしは以前このように言われても釈然としない気持でいましたが、皆さんはいかがでしょうか。
具体的には、天候のチェックです。
最近は山岳専門の気象予報を出している専門会社もあります。他にもシーズンになると、スキー場、レジャーエリア、山岳、山頂に特化した専門チャンネルやサイトもあり、天気の予想は容易になってきています。(とは言ってもすべてを他人に頼るのではなく天気図を見て自分で予想することが基本となりますが・・・)。
今回はjROともつながりのある、「ヤマテン」についてご紹介いたします。
全国の主要山岳エリアごとに天気予報を出しています、予報山域以外の山でも近隣の予報や降水予想図を利用する方法が詳しく書かれています。ヤマテン代表の猪熊隆之氏は、GWは疑似好天による気象遭難が多いので登山前に天気図や山頂予報、大荒れ情報を確認するように呼びかけていました。
また緊急を要する場合、例えば気象遭難のリスクが高い気象状況が予想されるときには別にメールでの注意喚起を受けることが可能です(有料登録することが必要です、300円+税/月)。
同代表のお話では、「冬山は予報が出しやすく、夏山のほうが予報するのが難しい」とのことです。
詳細はヤマテンのwebサイトを見ていただければ理解できると思います。
https://i.yamatenki.co.jp/ をご参照ください。

② 登山道の変化

この時期の登山道では高山では積雪があるものの、下山時など標高を下げてくると無雪道になったりします。また日向と日蔭では登山道の状態も異なります。
雪道が続くようならクランポン(アイゼン)をつけたまま登下降すればよいのですが、縦走しているときなどはいちいち着脱が面倒になります。さてこの様な時、皆さんはどのようにしておられますか。
これから雪が出てくるのかどうか、クランポンを履くべきかどうかの判断に迷うところです。
これから雪が出てくるであろうと予想ができる場合は、そのまま岩の上もクランポンで歩く(この時ひっかけて転倒のリスクがあります)。
しかし、また雪が出てこないと予想できる場合はクランポンを脱ぎますが、予想が外れた場合はクランポンをつけ直すか、あるいはクランポンを着けずに注意して通過するなどが考えられます、クランポンの着脱は面倒、時間のロスがありますが、こまめに着脱しなければ雪の上を滑落するリスクが出てきます。
この季節ではこのようなリスクや時間ロスを考えて行動することも必要です。

③ 雪渓などの対応

雪渓のトラバースや登山道が雪で覆われているところの通過は注意が必要です。クレパス、シュルンドなどの空洞にはまらないようにしなければなりませんが、これの防止のためにはスノシュー、スキー、かんじき、クランポンの着用などが考えられます。
このような用具を持参するかどうかの判断は、それぞれ異なりますが、最新の現地情報収集が必要です。
最近は情報収集手段が数多くありますので、検討してみてください。

わたしの過去の経験をご紹介させていただきます。
もう6・7年前になりますが奥只見、村杉岳というほとんど誰も行かないところへ行ったことがあります。
情報を集めるにも何もない状況なので、輪かんじき、スキー、スコップなど考えられる装備をすべて持っていきました。
5月といえども朝晩は冷え込み、アイスバーンになっていました。ところが日が当たる日中は、グサグサの雪になり足をとられます、その都度履き替えて登頂しました。
そして登山道まで降りてきたら、道路には全く雪がなく、重い荷物をもって2時間歩かされることになったのですが、安全のためには止むを得ませんでした。この季節の山行では必須の備えと自分に言い聞かせました。
つらい思いをした山行でしたが、その後の温泉は格別に気持ちよかったのは言うまでもありません。

写真の例では顕著なクレパスが見えるので注意が必要です。

公益社団法人東京都山岳連盟山岳救助隊 橋本 利治
(jRO社員)

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